前田利家、埼玉を縦断す!【川越市/所沢市】
唐突ですが簡単な自己紹介をさせていただくと、好きな食べ物は肉汁うどん。苦手な食べ物は、そうですねえ、強いて言うなら魚介類でしょうか。
そんな自分ですが、先日、職場の旅行で石川県に行ってまいりました! 一泊二日の弾丸ツアーだったんですけどね、印象に残ったこと言えばエビ。エビエビエビエビずーっとエビ。もちろん美味しく頂きましたよ。けれど、なんだか自分がラッコにでもなったような、そんな気分の今日この頃です。

ところで石川県と言えば加賀百万石の祖である「前田利家」の名を思い浮かべる方も多いと思います。けれど遠い石川県の人ですからね。埼玉にはあまり縁の無い人のような気がしますよね?
いえいえいえいえ、実は天正18年(1590年)、前田利家は埼玉に、それも川越に来たことがあるのです!
何をしに来たのかはさて置き、先ずは金沢より遠路はるばる徒歩で川越までやってきた前田利家御一行様の労を労いたいと思います。
歓迎 前田利家御一行様! ようこそ川越市へ!

そして、川越城 落城
豊臣秀吉の小田原征伐ですね。北条サイドの支城だった川越城は前田利家率いる北国軍に攻められ落城しました。
けれど「戦火に包まれた」という感じではなかったようなんです。なにせ前田利家軍は大軍です。その中には上杉や真田などのビッグスターも含まれています。
時の川越城主である大道寺も群馬で敗戦、すでに降伏済みですから、戦うなんて無茶はさすがにしなかったのかもしれませんね。

それともう一つ。川越城のすぐとなりにある「童話とうりゃんせ♬ 」の舞台にもなった三芳野神社。つい先日改修工事が終了し創建当時の雅なお姿が蘇りましたが(工事中の画像になります)よーくご覧ください

前田家の家紋と同じ「梅鉢」がいくつも確認できますね!
いやちょっと待て。確かに梅鉢だが、と~りゃんせ~、と~りゃんせ~♬ こ~こはど~この細道じゃ~♬ 天神さまの細道じゃ~♬ という歌詞からも分かるように三芳野神社は天神様を祀っている。天神様とはご存じ学問の神様、菅原道真(すがわらのみちざね)のことであり、彼の好きな花と言えばもちろん梅♡ なので天神様の家紋はだいたい梅鉢。同じであっても前田家の家紋が付いている訳ではない
ええ、自分もそう思います。
ただ川越のおとなり、所沢の北野天神にこんな梅の木があるんですよ。

大納言梅!
大納言とは甘納豆、のことではなく前田利家の官職(役職)です。なぜこんなネーミングの梅が所沢にあるかというと

北野天神を再建してくれたお礼もありますが、先ずは川越を攻略、所沢を通りかかった前田利家御一考様の労を労いたいと思います。
歓迎 前田利家御一考様! ようこそ所沢市へ!

前田利家が所沢を通った時点では、この辺はまだ北条領であり適地だったんですよ!?
それに前田利家ほどのポジションならば、北条を追い出した後「徳川」が関東に入る予定であることくらい知っていたと思うんです。前田家の領地になることはないというのに、自分が菅原道真の子孫だからという理由だけで所沢の天神様を再建するなんて
さすが百万石(お金持ち)だと思いますう!

緑のラインが前田利家の進軍ルート。川越は徳川勢を中心とした南方隊(ピンク)にも攻められてるんですね。これはさすがにムリゲー(石田堤史跡公園の案内板より)
前田利家は縁もゆかりもない所沢の天神様を立て直してくれるような方ですから、川越城に攻め入った時もきっと紳士的な振る舞いであったであろうし、三芳野神社にも間違いなく参拝していると思うんですね。もしかしたら三芳野神社があったからこそ守られた川越、なんてこともあるかもしれません。
城に火を放て!
お待ちくだされ浅野どの! 城と一緒に天神様も燃えてしまったら大納言様に何を言われるか分かったものではありませぬ。かなり面倒くさいと思いますぞ
それもそうじゃ、止めておこう!
みたいなwww

はーい♪ ぼくこてまる
天神様である菅原の道真の烏帽子(黒い帽子)をかぶり、小手指ケ原の合戦で勝利した新田義貞の家紋を身にまとい、小手をかざすポーズを決める。
コチラがあらゆる小手指(こてさし)が詰まっている小手指のゆるキャラ、こてまる君です。
ご存じないですよね。いや、こんなピンポイントなゆるキャラ、ご存じだったら逆に怖いです。それはともかく、こてまる君のおなかにご注目下さい。一輪の白い梅がありますね。
解説版には「菅原道真ゆかりの梅」と記されているのですが、この小さな梅に前田家に対するリスペクトが込められているような気がするんです。

例えそうでなくとも所沢市民である自分は前田家に感謝の気持ちを持っています。なので石川に行ったら金沢のお城に伺って、前田利家様(の銅像)にお礼を言おう、目論んでいました。
けれど、お城には立ち寄らなかったんですよね。
やっぱり団体旅行は苦手です。ホントにエビばっかりだったし。
