真夜中のパン屋【川越市】
古いパソコンの中から思わず声が出てしまうような懐かしい写真が出てきましたので、今日は川越にあった幻のパン屋「岩田屋」の思い出話をしてみたいなと思います。

川越市役所のそばに深夜営業しかしないパン屋がかつてありました。
深夜営業のみにも関わらず行列のできる人気店でしたので記憶にある方も多いと思うのですが、閉店してからかれこれ17、8年経ちますよね? 移転してやってるよとかだったら教えて下さいね、ホントのホントに

幻のパン屋、と先ほど表現しましたが、確か夜9時前後に開店し、定休日は日曜日。勤勉に営業されていたと記憶しています。少なくともボクが伺ってお休みだったことはありません。

そもそもなぜ夜しか営業しないのか。実は聞いてみたことがあります。
以下、脚色なしでお送りしますので、おまえ話持ってんな! そう思わずにご覧くださいませ。

あのー、何で夜しかやってないんですか?
ちっ、ちっ、ちっ(悪意のない舌打ちをする音)
あさ~こねて~~~(朝、こねて)
ひる~~焼いてると~~~(昼、焼いていると)

夜になる。
全く納得です。朝下ごしらえして、昼焼いていたら夜になるのは当たり前です。昼間営業しているパン屋の方がおかしいとさえ思えてきましたwww
さらに店主さんは何も聞いていないのに話を続けます。
うちのパンには添加物が入っていない、添加物が入っていない、添加物が入っていないから…

一時半までに食べて。
え!?(こんなカロリー爆弾を!?)あ、明日の朝にしようと思ってるんですけど…。
添加物が入ってないから、明日の朝じゃ硬くなっちゃうんだよ…。電子レンジで温めれば、少しはやわらかくなるけれど…添加物が入ってないからなぁ…
明らかにおじいちゃんは不服そうです。しかしそんな端から端までたーっぷりバターの塗られたコッペパンを 夜食として食べる訳にはいきません。
1キロ太るのは100円だけど1キロ痩せるには一万円かかる。ペギー葉山さんのお言葉ですが、まさにそれを地で行く岩田屋のコッペパンです。

ちなみにこれくらいの行列で、だいたい30分待ちくらいでしょうか。
おじいちゃんは体を前後にゆっさゆっさとゆらしながらコッペパンの一本一本にそれはそれは丁寧にバターを塗っていくのでとにかく時間がかかります。コッペパン一本に付きバターナイフ
10往復くらいしてましたよねwww
それなのに「あんバタ15個」とか言うおっさんがだいたいいつも自分の前に並んでいる。割り込みババアも現れる
今日寝るの何時になるんだろ…
睡眠時間の心配をするくらい、おじいちゃんはゆっさゆっさ丁寧にバターを塗っていましたっけねえ(遠い目)

話は戻って1時半までに食べなきゃダメ問題です。
いくらヤングだったボクでも、こんなバターまみれのコッペパンを深夜に食すわけにはいきません。他にもうちょっと胃に軽いメニューはないものなのか伺ってみました。
ちっ、ちっ…
あんバタと~
ジャムバタと~
ピーばたと~

ばたぴ~。
えっと。ここで一度確認しておきますね。ボク話盛ってないですからね!? ホントに言うんですよばたぴ~って! 岩田屋をご存じの方はボクがウソこいてないって分かってくれますよね!? マジで盛ってませんからね!?

時計の針は一日のラスト半周へ。
この時間になるとコッペパンはたいがい売り切れ。バターは食パンに塗られ始めます。
この食パンがまたやっかいな代物でした。
コッペパンは往路と復路。2アクションでバターを塗ることが出来ましたが、食パンには四隅があります。
一つ一つの隅っこにまで丁寧にバターを塗るものですから、さらに時間がかかる。それなのに「15個」とか言い放つおっさんがだいたいいつも自分の前に居る
明日仕事休みたいな…
そんな思いが一瞬脳裏を横切るくらいの食パン+バターでした。

そんな食パンも残り一枚。
食パン売り切れちゃいそうですけどボクたちどうなっちゃうんでしょうか?
ちっ、ちっ…
バターロールと蒸しパンにも塗るけど…
蒸しパンは…

甘すぎてダメだね。
自分で考案して作っているくせに、おじいちゃんが何を言っているのか、その意味が分かりません。
おかしなこと言うおじいちゃんだなwww
おじいちゃんボケちゃったのかなwww
声を殺してクスクスよく笑ってました。

岩田屋が閉店して、ずっと後のことです。
川越に夜中しかやってないパン屋があってさ。おじいちゃんがおかしな人でさ…
誰かに昔話をしていたとき、はっと気が付いたんですね。
ネタだ。
あれ全部、おじいちゃんの持ちネタだ。
朝こねて昼焼いてると夜になるも、あんばたジャムばたピーばたばたピーも全部ネタ。
スマホも無い時代、おじいちゃんは長い待ち時間を退屈させないためにおかしなことばかり言ってたんだ。
岩田屋にはずいぶん通いました、ぶっちゃけ美味しいわけではないのにwww
楽しかったんですよね。夜中にワイワイ並んでおじいちゃんボケてんのかなって笑うの。
やられました。あれが全ておじいちゃんの演出だったとすれば、あのお方、もの凄いエンターテイナーでしたよ。改めて、ありがとうございました。とても楽しかった時代のワンシーンを岩田屋で過ごさせていただきました。

最後に。
おじいちゃんは「レンジでチンすれば柔らかくなる」と言っておりましたがあまりおススメは出来ません。
というのも、バター塗りすぎなんですよ!
レンジでチンなんてしたらメガトン級に塗られたバターが全部溶け出してべっちゃべっちゃですよwww
みんな一度はやってますよね!?
べっちゃべちゃwww


YouTube版はコチラ!

あはは。
岩田屋のパンは昔は昼間も営業してましたよ。
店主の方のお母さんも一緒にやっていたんですが、お母さんが亡くなってから時間がズレていったら夜になっただけだと思います。
ちなみに、あんバターですが本当はあんマーガリンですよね。
なつかしいですね~自分は味も素朴で美味しかったですね。
アンコ苦手なので食べたのはジャムバタとピーバタでしたが
ああ、また夜に並んで、買って、食べたいなぁ(遠い目)
偶然ここにたどり着きました~
あのおじさんは、昔市役所の人と大喧嘩して、市役所の人が帰った後にオープンするって聞きました(笑)。
私が子供の頃は昼間も営業してましたね。
図書館が近いし、お小遣いで気軽に買えるパン屋さんだったので、子供だけでよく寄ってました。
注文してから作ってくれるので、大好きなあんことバターがコッペパンに塗られていくのを見ながら、こんな美味しいものを作れるなんてすごいなあ、っていつも思ってました。
楽しい思い出です。
たまたまあんバタを検索してて、もうご存知だったら申し訳ないんですが、書き込みます。
残念ながら岩田屋さん、閉店しました。移転ではありません。
川越の宮元町にもあった本店も10年以上前に閉店したと聞いてます。
あのご店主のリズム感あるあんバタを塗っている姿が今でも思い出されます。懐かしい。
あんバターを食べたのは40~30年くらい前で、親の世代からだったと記憶しています。半世紀前かそれ以上前。
ぶっちゃけ、あんバターを語る上で岩田屋さんを知らないのはモグリだと思います。
名古屋や都内にあるあんバターもそれなりに美味しいのは知ってますが、やっぱり川越は外せませんね。ほんとに美味しいお店は紹介したくないのが本音。
岩田屋懐かしいですね。子供の頃反対側に有る歯医者に岸町から治療に行ってました。かえりにバタークリームにチェリーに似せたゼリーののったパンを買ってもらってました。時は流れて、高校生時代ガソリンスタンドのアルバイト帰りに、ふと気になりバイクで通ると行列があり、並んで見ると皆さんアンバタ、バタピー、ジャムバタを注文してる自分の番にはコッペパンは売り切れて食パンや蒸しパン、ナイフを入れられるパンにはなんでも塗り挟んでくれました。明るい時間帯もやってましたが路駐と行列問題で夜になったとも聞いた事があります。パンは確かに翌日には硬くなりましたが、そんな硬さも好きでしたね。当時の読売新聞にも取り上げられ、行列に拍車がかかりしばらく行かなくなりましたが、夜中でもやってた時は家に買ってかえった事がありますね。バターとは言ってましたが缶のラベルで解っていたでしょうがマーガリンでしたね。良い思い出です。
ふと思い出して、検索してこちらに辿りつきました。
26.7年前、川越で一人暮らしをしていて、実家に帰った時に車で夜買いに行ってました。
友達の間では踊るパン屋と呼んでました。
お爺さんが踊るようにバターとかを塗り、わざわざいちいち缶の蓋を閉めて…
時間はかかるけど、待っていても飽きず、餡、バターをたっぷり塗ったコッペパン、美味しかったな。
幻のパン屋ですね。
久々に食べたくなって検索してみたら懐かしい岩田屋の記事を発見しました。
おじさんは、巨人ファンだったようで野球放送を流していました。
時々の会話が面白かったのをおぼえています
懐かし〜!!
なんだか知らずに並んでるから並んで買ってみた事があります。
午後か夕方だったと思う。
そうなの!缶のフタをいちいち閉めて、その上で丁寧に紙に包んでいくんですよねー!
効率的じゃないなーと思ったけど、なんか茶道とかのお作法のようだとおもった記憶が。
あの雰囲気が良かったですよねー