熊谷県の始まりと終わり・後編【埼玉三國志④】
Posted on by eiji
おう! みんな張り切ってやってんなっ ああ、そのままそのまま、仕事を続けてくれい

建白書を見せてもらった
いやあ、まっこと見事な建白書だった
特に小泉くん、あれ君の字だろ?
素晴らしい清書だった。字が綺麗だとそれだけで印象がグッと良くなるんだ

というわけで今日は、熊谷県の実現に向け邁進する君たちに、良いニュースとちょーっとだけ悪いニュースを持ってきた。あー、大丈夫だ、悪いと言ってもオレ個人の問題だ、君たちにはあまり関係がねえ。心配すんな
ではまず良いニュースだが
君たちの建白書は朝議に上がった
目下詮議中だ。竹井、この機を逃すな。今すぐ上京し陸奥を押せっ
そして、悪いニュースだが
実は、わたくしめ渋沢栄一は、この度、大蔵省を
辞めることになりますた!

いやいやいやいや、渋沢のやつ、言い出しっぺのくせに肝心なところで政府の高官という立場を投げ捨ててしまいましたぞ。あどもこんにちわ、徳川家康です
以後彼は銀行の設立などに多忙を極めるのでしょう、この物語には登場しないのですが、私の方はもう乗りかかった船です。前回に引き続き解説を担当させていただきますので、どうぞよろしくお願いします
それでは、竹井と熊谷の汗と涙の物語、後編ですっ

改めて聞くが、県庁が熊谷に設置された場合、県庁舎と官員の住居等は差し支えなく用意出来るのであろうな
はい、県庁舎はとりあえず熊谷寺の庫裡(くり)を充用すべく準備を進めております。官員の住居は空き家がございますので十分に間に合うでしょう。何も心配はございませんので、この件、何卒ご尽力のほどよろしくお願い致します…
Continue reading熊谷県の始まりと終わり・後編【埼玉三國志④】